最近ゴルフにハマっている大阪オフィスの戸田です 🦜
“世界に1つしかない木工作品達”ということで、なんかいかにもすごい事のように聞こえますが、記事がタイトル詐欺と思われないよう補足説明をさせて頂きますね。
大学生の頃のお話です、兵庫県神戸の芸術大学に通っていました。
今でこそ内装のお仕事をしていますが実は学生の頃は内装デザインの勉強はほとんどしておらず、木工や家具について勉強をしておりました。
同級生の中でも世界の銘木を使用した作品が多く、いろんな樹種で、いろんなものを作るのが学生の頃の特徴でした。
その時に僕自身が手作りした木工作品ということで、“世界に1つしか無い”というちょっと誇張感はありますがそんな意味でのタイトルになります。
その作品達の中からいくつか抜擢で紹介させて頂きます!
①カトラリーセット
トレー、お箸、箸置き、スプーン、フォーク、コップ、お皿など全て木で製作しています。
コップやお皿などの丸いやつは“木工旋盤(写真1枚目・下記URL参照)”という機械で作っており、簡単に説明すると角張った木材を爆速回転させて外側と内側を“木工バイト”という道具で丸く削ることで出来上がります。
仕上げは紙やすりで60~800、稀に1000番以上を当てて、オイルや漆で仕上げていきます。
木工旋盤作業風景もありますが、写真では伝わりづらいのですがこれが本当に怖いんです。
木材も樹種によって硬さや繊維による個性があるので削りやすさが全然違って、ちょっとでも木材と木工バイトが引っかかるような削り方をしたら「ドガンッ!!!!!」という恐怖の音と共に両方ともものすごい勢いで吹っ飛びます。
大体は吹っ飛んだ時点で木材の方は割れたり抉れたりで再加工不可になってしまうという恐ろしい機械です。最悪の場合指の骨折や女性だと髪の毛が爆速回転に巻き込まれてあれやこれやと、、、(先輩体験談)
なので本当に繊細な作業が必要とされ、急がば回れの精神でひたすらゆっくりと削ります。
製作したものは兵庫県丹波市のイベントで販売したり、自宅使用、お祝い品として贈ったりしました。
製作時間:1セット5〜6時間程度
参考:木工旋盤 https://youtu.be/rw72iq4-nwI
②太鼓の達人マイバチ
中学の頃から大好きでやっていた音ゲーの太鼓の達人の“マイバチ”と呼ばれているオリジナルバチになります。
太鼓の達人の熱狂プレイヤーを”ドンだー”と呼ぶのですが、マイバチはいわゆるドンだー専用のバチでゲームセンターでは“ハウスバチ”と呼ばれる筐体付属の青と赤の公式バチがあるのですが、それが重くて扱いづらいんです。
ここ数年の曲だと運営さんもマイバチに対抗するかのようなハウスバチでは困難なクレイジー曲を出すのが当たり前になってきました。(“幽玄ノ乱”という曲が出たあたりから)※下記URL参照
そこで[樹種の個性の知識]×[太鼓の達人の知識]を掛け合わせた夢のコラボレーションによりできたマイバチになります。
樹種の密度や柔軟性で同じ形状でも全然違う使用感で、ウォールナット、ブビンガ、黒檀、シャム柿、その他と色々作って実際に試し打ちをしてバチ化した時の個性を調べて試験した上で、お世話になっていた材木店とタッグを組んでネットでフルオーダーメイド販売をしていました。ドンだーも様々ですがSNSでのマイバチの動画映えにこだわる人、プレイにめちゃくちゃこだわるドンだーは“この曲のためだけの専用マイバチ”として所持する猛者もいるんですよね。そういった方には特に好評でした。
こちらも①同様木工旋盤で作っています。大体のマイバチは角材を鉋で削るのですが、その方が簡単ですが中心がずれることが多く、旋盤だと綺麗に中心が出るのでそれも好評でした。
ちなみに僕のお気に入りはシャム柿の20φ、310mmです。高級木材+加工難樹種のため当時1セット14,000円(税別)でした。2セット売れました。
製作時間:1セット2時間程度
参考:幽玄ノ乱 https://youtu.be/bAXMr52BX_s
③ブックシェルフ
製作した中で最大、最重量、最費用、大手間がかかった作品です。
テトリスみたいに形を変えられるため、部屋の構造や使用用途などに合わせて変形・分割使用できるのが特徴です。
1ブロック300mm角のため正方形に変形させると高さが1,500mm角の大きさになります。
素材はMDFを使用したのですがこれはハッキリ言って大ミスでした。
めちゃくちゃ重い、めちゃくちゃ加工しづらい、めちゃくちゃ塗装ノリが悪いという家具条件として最悪な3大Mが揃った作品になります。
まず重さ。運搬面で最悪で、変形もかなり大変。総重量を測っていませんが多分100kg以上あります。
そして加工し辛さ。130枚近くの正方形の板を切り出す必要があったのですがMDFは丸鋸の刃がすぐに痛んで交換必要、鉋や鑢がかけられない、何かにぶつけるとすぐ凹むといった最悪の素材でした。
最後の仕上げの塗装。塗料の水分を吸ってしまうため色が乗らない。何本もシーラースプレーを消費してフルコーティングした上で色塗装、そして再度仕上げでシーラー塗装といった大手間でした。
最初から最後まで見事に迷惑のかかる作品でしたが、今では実家で愛用しています。
材料費だけで100,000円近くかかった記憶がありますが、経験を考えるとそれ以上の価値は得られた作品です。
製作時間:9日間
①〜③以外にも色々あるため、それらはまたの機会にご紹介します。
次回は椅子を紹介予定です。
それではこれにて〜。